どんなときもWi-Fiの速度制限の真実とは?サービス終了の実態と現状を徹底調査

どんなときもWi-Fi アイキャッチ

「どんなときもWi-Fi」は2020年10月31日をもって無制限プランのサービスを終了しました

「どんなときもWi-Fi」では、それまでも「通信速度が遅い」「つながらない」などの口コミや、「無制限をうたいながら実は速度制限を行っているのでは?」という声が上がっていました。

この記事では「どんなときもWi-Fi」の無制限プランがサービス終了に至るまでの経緯や、現在どのようなサービスになっているのか、実態を詳しく解説していきます。

「どんなときもWi-Fi」とは

「どんなときもWi-Fi」は2019年3月、データ利用料完全無制限をうたい文句に登場したポケットWi-Fiのサービスです。

それまでデータ通信量は制限があることが当たり前だったため、完全無制限を掲げたどんなときもWi-Fiには大きな注目が集まりました。

「どんなときもWi-Fi」は通信速度と安定性が好評だった

サービス開始当初、どんなときもWi-Fiは使い放題にも関わらず通信速度やつながりやすさも一定の水準を保っていました。

どんなときもWi-Fiの最大通信速度は下り150Mbps、上り50Mbpsとされていましたが、Twitter等では実測でも下り10~20Mbpsは出ているという声が多く見られました。下り20MbpsあればHD動画の視聴も可能なので、十分な通信速度といえます。

以下は「みんなのネット回線速度」のどんなときもWiFiの時間帯別の平均速度情報です。(※2021年11月時点)

時間帯 Ping 下り 上り
53.33ms 6.98Mbps 5.03Mbps
57.03ms 7.46Mbps 6.31Mbps
夕方 53.91ms 8.9Mbps 6.59Mbps
58.2ms 14.87Mbps 6.24Mbps
深夜 61.76ms 14.05Mbps 5.58Mbps

引用元:みんなのネット回線速度 どんなときもWiFiの時間帯別の平均速度情報(直近3か月)

さらにどんなときもWi-Fiの特徴としてクラウドSIMを採用していることもあり、安定したつながりやすさも好評でした。

どんなときもWi-FiはクラウドSIMの採用により、ドコモ・au・ソフトバンクの大手3大キャリアから場所や時間帯に応じて最適なキャリアに接続ができるとしていました。そのため、特定キャリアでつながりにくい地域でも安定した通信がしやすいというメリットがあったのです。

「無制限プラン」は2020年10月31日で新規申込終了

しかし、冒頭でも述べた通り、どんなときもWi-Fiはすでにサービス終了となっています。

サービス終了の原因となったのはサービス開始から1年あまりで発生した通信障害です。低速化や接続できないなどのトラブルが2020年2月から合計10回にわたって発生し、総務省の行政指導が入るまでの事態になりました。

その後2020年8月になっても通信状況は改善されず、2020年10月31日をもって新規申込を終了する旨が発表されています。既存の利用者はBroad WiMAXやモバレコAirへの代替プランの提示、もしくは解約などの選択を迫られることとなりました。

「どんなときもWi-Fi」が実質的なサービス終了に至るまでの経緯

「どんなときもWi-Fi」が無制限使い放題のサービスを終了した経緯について、時系列順に確認していきましょう。

【2020年2月】速度制限がかかり始め「遅い」との声が出る

まず2020年2月、どんなときもWi-Fiの利用者から「つながらない」「遅い」といった声が上がり始めました。

どんなときもWi-Fiはもともと使い放題で使えることを売りにしていたポケットWi-Fiで、速度制限についても当然ないものとして扱われていました。しかし利用者の声を受け、一部利用者に対して通信の低速化が行われていた事実を運営が認める事態となったのです。

しかも2020年2月時点では翌月の3月には不具合は解消するとアナウンスされていましたが、結局低速化は解消されませんでした。そのためどんなときもWi-Fi側は、

  • 1ヶ月分の月額料金を減額
  • 解約違約金免除で解約可

これらの補償を実施しました。上記補償は4月も引き続き行われていました。

【2020年4月】25GB制限無償プランの提供を始める

ですが以降も速度低下は解消されず、どんなときもWi-Fi側は2020年4月になって「25GB制限無償プラン」の提供を開始しました。

25GB制限無償プランは全利用者に適用されるものではなく、過去に月間200GB以上利用していた見込みがあったと判断された利用者に対してのものでした。該当者に適用されたプランの内容は以下の通りです。

  • 2020年5月から次回更新月まで月額利用料金を無料にする
  • 2020年4月の料金は25GB制限無償プラン移行日から日割分を返金する
  • 毎月のデータ通信量の上限を25GBとする
  • 追加のインターネットサービスを利用した場合は上限1万円まで補償する

25GB制限無償プランとは何だったか端的にいうなら、契約の結び直しです。

もともと通信量無制限・速度制限なしでどんなときもWi-Fiの契約を行ったはずが、料金面で優遇する代わりに上限を25GBに制限される、ということになりました。しかも同年10月には実質サービス終了となったため、再契約した方も10月で利用は終了しました。

【2020年6月】総務省の行政指導で「つながらない」原因が明らかに

2020年6月には総務省からどんなときもWi-Fiに行政指導が実施され、それまで不明瞭なままだった様々な問題点が明らかになっていきました。

低速化の直接的な原因となったのは、物理SIMカードの調達ができなくなったことです。

どんなときもWi-Fiは通信システムとしてクラウドSIMを採用していました。クラウドSIMは従来のサービスのように1枚のSIMカードに縛られず、サーバー上に保存されている何枚もの物理SIMカードを切り替えて使えるシステムです。

そのため、1枚のSIMカードを利用していて通信量が上限に達しても、ほかのSIMカードに接続すれば理論上は無制限に使えることになります。ただし、これはあくまでも理論上であって実際の運用では通信障害が頻発しました。総務省が指摘した要点は以下の通りです。

総務省の指摘1:「パケット無制限」との著しい乖離があった

1点目はどんなときもWi-Fiがうたっていた「パケット無制限」に対する指摘です。

グッド・ラックは、ウェブサイト上や約款・重要事項説明書において、極めて例外的な場合にのみ帯域制御を行う旨の留保を行いつつ、原則的には、データ容量について、「無制限」をうたっていました。(中略)にもかかわらず、令和2年3月下旬には、相当数の利用者の通信速度を著しく制限していた事実が判明しました。

上述のように、ウェブサイト上や約款・重要事項説明書で帯域制御を行う場合があることを説明していたとしても、グッド・ラックが行った通信制限の規模は、「無制限」との文言と著しく乖離しており、利用者の誘引に際して実際の品質より著しく高い品質をうたっていたものと認められます。

このように、利用者を不当に誘引し、契約に至らしめたグッド・ラックの行為は、法第1条の「利用者利益の保護」の趣旨に反するものと考えられます。

引用:総務省|報道資料|MVNOサービス「どんなときもWiFi」の利用者へのサービス提供に係る株式会社グッド・ラックに対する指導等

総務省の資料で指摘されている内容を要約すると、「パケット無制限をうたっていたが実態はかけ離れていた」ということになります。

どんなときもWi-Fiは重要事項説明書にネットワークを占有するほどの大容量通信を行った場合、384kbps程度の速度制限がかかることは明記されていました。しかし実際にはほぼ0の制限が課されていた事実が発覚し、電気通信事業法第1条「利用者利益の保護」に反するとされています。

総務省の指摘2:月間25GB制限強制移行について回答を行わなかった

2点目はどんなときもWi-Fiが実施した、25GB制限無償プランの提供についてです。

25GB制限無償プランが一部利用者に適用されたことはすでに説明した通りですが、どんなときもWi-Fi側は制限の対象となる詳細な条件を明示していませんでした。さらに利用者から問い合わせがあっても一切回答しないという姿勢を見せていました。

通信容量の総量がひっ迫している状況の解消を目的に、グッド・ラックは一定の基準を超えたデータ利用実績のある利用者に対し、月間25GBを通信容量の上限とする通信制限を実施しましたが、この際、当該制限の対象となる者の具体的な基準を利用者に示さず、問合せがあっても一律に回答しないという対応をしていました。

(中略)「利用者の判断に影響を及ぼすこととなる重要な事項」についての事実の不告知に該当し、法第27条の2第1号(事実不告知の禁止)の規定への違反が認められます。また、このような対応は、寄せられた苦情等について適切に対応しなかったものとして、法第27条(苦情等の処理義務)の規定への違反も認められます。

引用:総務省|報道資料|MVNOサービス「どんなときもWiFi」の利用者へのサービス提供に係る株式会社グッド・ラックに対する指導等

これに対して、総務省は電気通信事業法第27条「事実不告知の禁止」「苦情等の処理義務」に違反すると指摘しています。

総務省の指摘3:クラウドSIMに対する認識不足があった

3つ目はどんなときもWi-Fiの運営の認識不足を指摘する内容です。

上述のとおり、グッド・ラックが本件サービスについて必要な情報等を認識せず、また、必要な態勢の構築を行わずにサービス提供を行ったことなども含む本件事案に関する対応全般によって、非常に多くの利用者の利益が損なわれ、社会的にも極めて大きな影響を及ぼしました。

このことに鑑みると、当該事実に関しても、グッド・ラックの行為は、法第1条の「利用者利益の保護」の趣旨に反するものと考えられます。

引用:総務省|報道資料|MVNOサービス「どんなときもWiFi」の利用者へのサービス提供に係る株式会社グッド・ラックに対する指導等

必要な態勢の構築が行われないままサービス提供が行われた、という事態の原因は運営がクラウドSIMの仕組みを十分に理解していなかったことが挙げられます。

クラウドSIMの提供会社は通信インフラを自社で持っているわけではないため、キャリアやMVNOから物理SIMカードを調達しています。つまり利用者が増えた分だけ物理SIMカードも補充しなければいけませんが、供給が滞れば途端にサービス提供が困難になるリスクがあったのです。

さらに通信障害が発生してからも改善は見られず、なお新規利用者を募り続けていたことに対しても電気通信事業法第1条「利用者利益の保護」に違反するという指摘が入りました。

【2020年8月】無制限プランを10月31日で終了すると告知

総務省の行政指導から2ヶ月以上が経過した2020年8月24日、どんなときもWi-Fiがサービスを終了すると発表しました。

サービス終了の理由は「誰にでも通信量無制限のサービスは継続が不可能であり、お客様に対して誠実な対応を行うために無制限プランは終了せざるを得ない」というものでした。さらに無制限データ通信についても以下のような発表が行われました。

  • キャリアからの特例的な契約がない限り、データ容量無制限は不可能である
  • クラウドSIMはデータ容量無制限ではなく場所やキャリアに縛られない通信環境を構築するシステムである

最終的にはどんなときもWi-Fi側がクラウドSIMによる通信量無制限サービスが破綻していたことを認めた形です。

どんなときもWi-Fiからの発表では、無制限でサービス提供を行うとTB(テラバイト)を超える利用者もおり上位5%の利用者が総容量の20%を占めてしまった、という説明もされました。しかし総務省の指摘通りクラウドSIMやサービス内容への理解が不足していた点は否めません。

どんなときもWi-Fiのサービス終了以降、クラウドSIMを使って通信量無制限プランを提供していたポケットWi-Fiは次々と月100GBなどの制限を設けました。結果としてクラウドSIMによる通信量無制限プランは机上の空論であることが証明されたのです。

2021年以降提供しているのは「どんなときもWi-Fi for レンタル」

通信障害によるサービス終了という結果に終わったどんなときもWi-Fiですが、実は2021年7月27日にリニューアルを行いました。

現在はレンタルサービスとして「どんなときもWi-Fi for レンタル」を提供しています。

どんなときもWi-Fi for レンタル

どんなときもWi-Fi for レンタルは、簡単にいうと「通信量に上限が設けられたどんなときもWi-Fi」です。サービス終了の際に発表された文面の通り、クラウドSIMで通信量無制限プランを維持することはできないという結論に達したようで、名称は似ていてもサービス内容は全く異なっています。

どんなときもWi-Fi for レンタルの特徴は以下の通りです。

1日だけや1ヶ月だけのレンタルができる

どんなときもWi-Fi for レンタルがほかのポケットWi-Fiと差別化を図っているのが、1日単位からのレンタルができる点です。

通常、WiMAXなどのポケットWi-Fiは2年など長期契約を行うものが多いですが、どんなときもWi-Fi for レンタルは1日単位の超短期間でレンタルすることができます。急な出張や突発的なオンライン会議・講義などで1日だけ使いたい、といった用途に便利です。

3GBプランと大容量プラン(5GB)が選べる

プランには3GBと5GBがあり、期間もデイリーとマンスリーから選べます。2週間以上ならマンスリーの方が割安です。

プラン デイリー マンスリー
1日3GB 330円 (1ヶ月上限6,600円) 4,950円 (32日以上経過後1日145円)
1日5GB 440円 (1ヶ月上限8,800円) 6,600円 (32日以上経過後1日193円)

通信量を確認したい時は管理画面にアクセスする

自分が通信量をどれだけ使ったか確認したい時は管理画面から見ることができます。

端末が届いたらPCかスマホとどんなときもWi-Fi for レンタルの端末を接続し、Webブラウザで「192.168.43.1」にアクセスしてログイン画面を開きましょう。ログインIDとパスワードに初期設定の「admin」を入力すれば日単位での通信量が表示されます。

利用後はレターパックプラスでポスト投函するだけで返却できる

どんなときもWi-Fi for レンタルを使い終わった後は、ポスト投函だけで返却が可能です。

ポケットWi-Fiは端末返却が必要な場合、宅急便で発送しなければいけないこともよくあります。しかしどんなときもWi-Fi for レンタルは端末が届いた時に同梱されているレターパックプラスを使えば良いので、コンビニなどに宅急便を出しに行く手間がかかりません。

返却日はレターパックプラスの消印で判断され、プランと利用日数に応じた料金が請求されます。

まとめ

どんなときもWi-Fi for レンタルは1日単位など超短期に限って見ればお得に使えるサービスですが、長期間使用し続けるなら割高になってしまいます。

長期間持ち歩くことを前提にポケットWi-Fiを探しているなら、「カシモWiMAX」がおすすめです。

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どんなときもWi-Fi for レンタルだとかえって割高になってしまう、という場合はカシモWiMAXを検討してみましょう。

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